生兵法は怪我の元
将棋について、技術論抜きで少し語ろうと思います。
プロでもないし指導棋士の資格を持っているワケでもないんですけどね。
藤井くんの師匠の杉本先生が「技術的な事を教えても仕方ないので」と言っていましたが、プロの師弟関係でどういう指導が行われているかは知る所ではありません。
プロの師弟関係は、奨励会という養成機関に推薦するために結ぶ関係の事を言います。
私も人生の少なくない時間を費やしてきて、人格形成に及ぼされた影響も大きいので。
囲碁と将棋は、「棋は対話」と言われて、対局相手との呼吸を測る事を言われたりします。
柔道や剣道などと同じように、手つきや間の取り方などで相手の熟練度を感じ取ったりするワケです。
熟練してくると、投了といって、駒台に手を置いて「負けました」とか「ありません」とか言って詰まされる前に(玉を取られる前に)自ら負けを認めるワケですが、自分が負かされても、単なる勝負事でもない面もあるので、指し手を反省したりして、精神的な成長にも繋げるというのが賢い楽しみ方でしょう。
私も子供の頃は負けて腹立てたりしましたが、プロはそういう事があっても対局後に感想戦をやって、最善手を検討したりします。
感想戦をするには手を戻せるくらいにならないとダメというのもそうなのですが、他の競技でも試合を振り返ったりして次に繋げるという事もあるかも知れません。
成功しても失敗しても、反省というのは結構重要だと思います。
茶道の人ですけど、千利休が「守・破・離」と言って、これは「基本とか教えを守って、それが出来たら離れてもいい」というような意味らしいのですが、確かに最初から変な事をやったって周囲に認められるかは疑わしいですよね。
「常識を知らないだけ」と言われても仕方なく、第一それで上に行ける人は本当の天才でしょう。
これはあらゆる事について言えそうです。
将棋はAIがプロに勝つのも当たり前になってきていて、囲碁も将棋より変化が多かったりする事からプロに勝つのは難しいとされていたものの、今では世界のトッププロを負かすくらいになっています。
AIの指し手の特徴としては、人間が感覚的に指しづらい筋悪の手でも、有力だと算出したら平気で指してくる点にあって、コンピューターは体力や気力も関係無いので、手待ちのような千日手模様の指し方もどんどん指してきます。
「マラソンで車と勝負するようなもの」と言った人がいて、まあそんな感じなんでしょうか?
私の父が「将棋は先に動いた方が悪くなる」と言ったんですが、確かに、先後同型など駒組みが飽和状態になった時に、仕掛けが成立するという事は陣形の組み方が悪いという事なので、相手に手を渡すというのも高等戦術になる場合もあります。
プロの対局を見ていて、「俺なら負けても行くなー」とか無責任な事を考えたりする事もあるんですが、アマチュアの趣味の対局ではないので、生活がかかっていたり、棋譜汚しになって批判されたりする事もあるので、人生をかけてやっているような人は「何でわざと負けるような将棋を指すんですか?」と聞かれるような将棋にはならないんじゃないかと思います。
しかし、人間同士で対局する事の面白さは失われる事は無いでしょう。
「勝負という点でだけなら、レベルは関係無い」と思ってるんですが、最初から強い人なんてまれなので、もちろん内容を求めるならそれなりの実力は必要です。
自分に適性があるかは置いといて、堅苦しく考えないでやってみるというのも良いかも知れませんよ。
ダメだったらダメで引きずらないで次に行けばいいワケですし。
昔某大型掲示板で「棋士の棋風を駒二枚で表す」というのを見て、プロの先生も「中には良い事も書いてあって感動した」みたいな事を言っていましたが、私もインターネットは情報をしっかり見極めればかなり有益な情報ツールになり得るんじゃないかと思っています。
同じ趣味の人のコミュニティ作りにも良いんじゃないですかね。
しかし、こういう物は匿名性もあって過激な物言いになりがちだったりするので、軽はずみな発言が公になった時の事を考えると、対象の尊厳を傷つける事にもなりかねず、批判する時にも作法があると思います。
モンスタークレーマーみたいな話を聞いた時に、「クレームの付け方にも品性ってもんがある」とか「そんな客にサービスしたくないよな」とか思ったりするんですが、心当たりがある人は少し胸に手を当てて考えましょうよ。
もちろんサービスを提供する方にもモラルは求められますけどね。
話が逸れましたが、私の棋風を駒二枚で表すとすれば、角と歩だと思います。
角とか桂馬みたいな変則的なトリッキーな駒が好きなんですが、この二枚は両取りがかけやすい駒です。
詰将棋も苦手で、終盤は言うほど得意でもないですし、「特筆するとすれば、中盤の難解な仕掛けが自分の得意とする所かな」という感じで、角筋を活かした攻めと着実に駒を進めていく攻めに特徴があるかな、と。
トリッキーとは言っても、横歩取りみたいな高飛車系の乱戦が苦手なのはウェブサイトにも書きましたが、苦手を避けて振り飛車を指し始めた感じでもあるので、年齢を重ねるにつれて棋風が変わるという事があるかも知れません。
大山十五世名人も最初は居飛車党でやっていたそうですが、振り飛車党の大家として知られています。
名人経験者の佐藤康光先生も、堅く囲ってから攻めつぶす感じだったのが、独特な序盤戦術を採用した力戦派になった感じですよね?
私なんかはこういう将棋を見るとつい真似したくなっちゃうんですよね。
若い頃は正統派とか本格派を目指す事もありますかね。
私の将棋は「ふざけてるワケじゃないですよね」と聞かれてもおかしくないので、初心者の人は真似しない方が得策です。
将棋に限らず、スポーツなどの勝負事というのは、必ず負けて終わる物なので、最初から最後まで勝ち続けられる人もいないでしょうし、そう達観すれば挫折を味わった時にも慰めくらいにはなるかも知れませんよ。
あと、「彼女と将棋を指してたら一時間考えて銀が横に動いた。まったく女というのはわからねえ」という投稿も見たんですが、女性は物を覚えるのは得意でもこういう物は苦手なんですかね。
ウェブサイトに「女流という制度はありますが、現時点で女性のプロは一人もいません」と書きましたが、「攻める大和撫子」という異名とか、「性格と棋風は必ずしも一致しない」と言われる事もあって、とにかく、将棋は老人がやる物ではなく、女性や子供でも楽しめる物なのではないかと思いますよ。
性格が真面目すぎると突飛な事を思いつかない事もあるかも知れませんし、遊び心というのも時には必要かと思います。
「将棋界はイメージ産業」と言っているのも見ましたが、ひふみんみたいに天才でもちょっと変わった感じの人もいますかね。
私には何が常識的かを語るのは難しかったりするんですが(笑)。
「月下の棋士」という漫画に影響されたワケじゃないですけど、初手に端歩を突くかは別にして、早い段階で右側の端歩を突くのも真剣に考えたりしてます。
あと、常にベストパフォーマンスが出せればいいんですけど、精神面でも肉体面でもコンディションを合わせるのが苦手なので、そこはどうにかしないとダメですよね。
難しいゲームではありますが、プロの将棋を観て結果を追うのもいいですし、色んな楽しみ方ができるとも思いますので、「こういう世界もあるんだ」くらいでも何でもいいので、触れてみてはいかがでしょう。
関連書物としては、漫画の他に将棋用語事典みたいなのも出てますよ。
偉そうに普及的な事をやりましたが、教養になるかも知れませんし、一つの話のネタとしてどうぞ。
プロでもないし指導棋士の資格を持っているワケでもないんですけどね。
藤井くんの師匠の杉本先生が「技術的な事を教えても仕方ないので」と言っていましたが、プロの師弟関係でどういう指導が行われているかは知る所ではありません。
プロの師弟関係は、奨励会という養成機関に推薦するために結ぶ関係の事を言います。
私も人生の少なくない時間を費やしてきて、人格形成に及ぼされた影響も大きいので。
囲碁と将棋は、「棋は対話」と言われて、対局相手との呼吸を測る事を言われたりします。
柔道や剣道などと同じように、手つきや間の取り方などで相手の熟練度を感じ取ったりするワケです。
熟練してくると、投了といって、駒台に手を置いて「負けました」とか「ありません」とか言って詰まされる前に(玉を取られる前に)自ら負けを認めるワケですが、自分が負かされても、単なる勝負事でもない面もあるので、指し手を反省したりして、精神的な成長にも繋げるというのが賢い楽しみ方でしょう。
私も子供の頃は負けて腹立てたりしましたが、プロはそういう事があっても対局後に感想戦をやって、最善手を検討したりします。
感想戦をするには手を戻せるくらいにならないとダメというのもそうなのですが、他の競技でも試合を振り返ったりして次に繋げるという事もあるかも知れません。
成功しても失敗しても、反省というのは結構重要だと思います。
茶道の人ですけど、千利休が「守・破・離」と言って、これは「基本とか教えを守って、それが出来たら離れてもいい」というような意味らしいのですが、確かに最初から変な事をやったって周囲に認められるかは疑わしいですよね。
「常識を知らないだけ」と言われても仕方なく、第一それで上に行ける人は本当の天才でしょう。
これはあらゆる事について言えそうです。
将棋はAIがプロに勝つのも当たり前になってきていて、囲碁も将棋より変化が多かったりする事からプロに勝つのは難しいとされていたものの、今では世界のトッププロを負かすくらいになっています。
AIの指し手の特徴としては、人間が感覚的に指しづらい筋悪の手でも、有力だと算出したら平気で指してくる点にあって、コンピューターは体力や気力も関係無いので、手待ちのような千日手模様の指し方もどんどん指してきます。
「マラソンで車と勝負するようなもの」と言った人がいて、まあそんな感じなんでしょうか?
私の父が「将棋は先に動いた方が悪くなる」と言ったんですが、確かに、先後同型など駒組みが飽和状態になった時に、仕掛けが成立するという事は陣形の組み方が悪いという事なので、相手に手を渡すというのも高等戦術になる場合もあります。
プロの対局を見ていて、「俺なら負けても行くなー」とか無責任な事を考えたりする事もあるんですが、アマチュアの趣味の対局ではないので、生活がかかっていたり、棋譜汚しになって批判されたりする事もあるので、人生をかけてやっているような人は「何でわざと負けるような将棋を指すんですか?」と聞かれるような将棋にはならないんじゃないかと思います。
しかし、人間同士で対局する事の面白さは失われる事は無いでしょう。
「勝負という点でだけなら、レベルは関係無い」と思ってるんですが、最初から強い人なんてまれなので、もちろん内容を求めるならそれなりの実力は必要です。
自分に適性があるかは置いといて、堅苦しく考えないでやってみるというのも良いかも知れませんよ。
ダメだったらダメで引きずらないで次に行けばいいワケですし。
昔某大型掲示板で「棋士の棋風を駒二枚で表す」というのを見て、プロの先生も「中には良い事も書いてあって感動した」みたいな事を言っていましたが、私もインターネットは情報をしっかり見極めればかなり有益な情報ツールになり得るんじゃないかと思っています。
同じ趣味の人のコミュニティ作りにも良いんじゃないですかね。
しかし、こういう物は匿名性もあって過激な物言いになりがちだったりするので、軽はずみな発言が公になった時の事を考えると、対象の尊厳を傷つける事にもなりかねず、批判する時にも作法があると思います。
モンスタークレーマーみたいな話を聞いた時に、「クレームの付け方にも品性ってもんがある」とか「そんな客にサービスしたくないよな」とか思ったりするんですが、心当たりがある人は少し胸に手を当てて考えましょうよ。
もちろんサービスを提供する方にもモラルは求められますけどね。
話が逸れましたが、私の棋風を駒二枚で表すとすれば、角と歩だと思います。
角とか桂馬みたいな変則的なトリッキーな駒が好きなんですが、この二枚は両取りがかけやすい駒です。
詰将棋も苦手で、終盤は言うほど得意でもないですし、「特筆するとすれば、中盤の難解な仕掛けが自分の得意とする所かな」という感じで、角筋を活かした攻めと着実に駒を進めていく攻めに特徴があるかな、と。
トリッキーとは言っても、横歩取りみたいな高飛車系の乱戦が苦手なのはウェブサイトにも書きましたが、苦手を避けて振り飛車を指し始めた感じでもあるので、年齢を重ねるにつれて棋風が変わるという事があるかも知れません。
大山十五世名人も最初は居飛車党でやっていたそうですが、振り飛車党の大家として知られています。
名人経験者の佐藤康光先生も、堅く囲ってから攻めつぶす感じだったのが、独特な序盤戦術を採用した力戦派になった感じですよね?
私なんかはこういう将棋を見るとつい真似したくなっちゃうんですよね。
若い頃は正統派とか本格派を目指す事もありますかね。
私の将棋は「ふざけてるワケじゃないですよね」と聞かれてもおかしくないので、初心者の人は真似しない方が得策です。
将棋に限らず、スポーツなどの勝負事というのは、必ず負けて終わる物なので、最初から最後まで勝ち続けられる人もいないでしょうし、そう達観すれば挫折を味わった時にも慰めくらいにはなるかも知れませんよ。
あと、「彼女と将棋を指してたら一時間考えて銀が横に動いた。まったく女というのはわからねえ」という投稿も見たんですが、女性は物を覚えるのは得意でもこういう物は苦手なんですかね。
ウェブサイトに「女流という制度はありますが、現時点で女性のプロは一人もいません」と書きましたが、「攻める大和撫子」という異名とか、「性格と棋風は必ずしも一致しない」と言われる事もあって、とにかく、将棋は老人がやる物ではなく、女性や子供でも楽しめる物なのではないかと思いますよ。
性格が真面目すぎると突飛な事を思いつかない事もあるかも知れませんし、遊び心というのも時には必要かと思います。
「将棋界はイメージ産業」と言っているのも見ましたが、ひふみんみたいに天才でもちょっと変わった感じの人もいますかね。
私には何が常識的かを語るのは難しかったりするんですが(笑)。
「月下の棋士」という漫画に影響されたワケじゃないですけど、初手に端歩を突くかは別にして、早い段階で右側の端歩を突くのも真剣に考えたりしてます。
あと、常にベストパフォーマンスが出せればいいんですけど、精神面でも肉体面でもコンディションを合わせるのが苦手なので、そこはどうにかしないとダメですよね。
難しいゲームではありますが、プロの将棋を観て結果を追うのもいいですし、色んな楽しみ方ができるとも思いますので、「こういう世界もあるんだ」くらいでも何でもいいので、触れてみてはいかがでしょう。
関連書物としては、漫画の他に将棋用語事典みたいなのも出てますよ。
偉そうに普及的な事をやりましたが、教養になるかも知れませんし、一つの話のネタとしてどうぞ。