Romancing Note

あと何回桜見られるか。

ドラキュラZERO

「ドラキュラZERO」というホラー系時代劇の映画を観て、私がこういうのが好きなのも周知の通りですか。

「ドラキュラ」は吸血鬼界で一番有名な、ルーマニアのトランシルバニア地方の領主だった「ヴラド・ツェペシュ」という実在の人物がモデルです。
国と民と家族を守る話ではありますよ。

そも「吸血鬼」というのは、民間伝承で東欧に多いそうで、キーワードは「スラブ系」と「東方正教会」と「美少女」でしょうか。

「東欧は美人の産地」という言葉を聞いたことがありますが、あの辺りは血が混ざりまくってて、「混血」とは言うものの、人間の場合は必ずしも悪い方に出るかは判りませんよね(苦笑)。

「流浪の民」であるジプシーというのは、「エジプシャン(エジプト人)」という意味で、ジプシーにも吸血鬼伝承があるそうで、彼らは「ロマ」と自称したりするんでしょうか、地域社会との軋轢から彼らへの差別もヨーロッパでは社会問題になっているそうです。
ルソーの「エジプトよりさらに南にはアフリカと西インドが考えられようが」というのは、そういう意味合いもあるんでしょうか。

吸血鬼関連の小説や寓話は、ゴリゴリの文学から大衆雑誌の連載まで、数多く存在するようです。

基本的に、処女の生き血を啜ったり体に塗りつけたりして、不老不死や若返りを狙うのが主な説なんでしょうか。

「死者が甦る」というようなのは、カトリックでは認めていなかったため、ウクライナから北の方からバルカン半島に移動してきたスラブ人の間で恐れられていた"迷信"と言ってよいのかどうか。
そのためか、バルカン半島は「ヨーロッパの火薬庫」と言われていました。

オーストリアとハンガリーにはスラブ人は少ないそうで、ドラキュラの語源の「ドラクル」は、ハンガリーの王室が作った「ドラゴン騎士団」という名誉職から来ていて、ドラキュラの本義は「竜の息子」という意味だそうです。

「フィン人というのはハンガリーのナンチャラ」というのもカントの著作で読みました。

映画の主人公である「ヴラド・ツェペシュ」の「ツェペシュ」は、「串刺し公」の意味で、罪人や反逆者や侵略者などを串刺しにして地面に突き立てる刑罰を行っていたことに由来しています。

当時はオスマン帝国が強くて、そのヴラド3世は幼少期にオスマン・トルコに兵(つわもの)になるように狩り出されてかなり厳しく育てられました。
帰国してワラキア領主となり、同じように領内の子供を1000人兵士となるように要求されて、自分の嫡男もその中に入っていたことから、暗い洞窟に巣くうオルロック(?)に協力を乞うて、半ば悪魔に魂を売り渡す形で、3日間限定でヴァンパイアになります。

その時に「ここに入ってくる者は恐怖ばかりだが、お前には希望がある」みたいに言われるんですが、他にも気になる展開や台詞も多々ありました。

途中で、ヴァンパイアになる期間を延ばすために右手から血を流して杯(さかずき)に受けて血を差し出す人物が現れるんですが、つまり聖杯ということで、キリストということなんでしょうか?
「お前ふざけるなよ?」と言ってそれを拒否するんですけど、キリスト教の「アーメン」というのは、「それな」というような意味だと聞きました。

やはり弱点は十字架や銀や日光(サンシャイン)なんですけど、駆け込み寺でもある修道院でも「祈っているだけではダメだ、立ち上がるんだ」と言っていました。
「俺がいるからこの国は成り立ってるんだぞ!」みたいなことも言っていましたが、「それは言っちゃダメ」という感じですかね、奥さんも「こんなのあなたじゃない」と(苦笑)。

ちなみにキリストの復活祭は英語でイースター(East-er)と言いますよね。

ヴァンパイアは心臓に杭を打って地面に縛り付けて滅するんですが、「ステークホルダー」という言葉もありますよね。
日本では「出る杭は打たれる」という言葉がありますが(笑)。

他にも、文学作品では『カーミラ』のような女性のレズビアンのヴァンパイアなどもいて、私が生まれた1979年の『夜明けのヴァンパイア』という小説では、レスタト・ド・リオンクールという名前で、ロック音楽に共鳴して、「ヴァンパイア・レスタト」というロックバンドを結成して大成功を収めるヴァンパイアが主人公だそうです。
本当にそうなった?

ウェブサイトに曲を上げている「悪魔城ドラキュラ」は、その逆のヴァンパイアハンターが主人公で、ドラキュラを倒すゲームですよ。
海外では「Castlevania」という名前で販売されて好評を得ているそうです。

「この時代では『この国に攻め込んだらヤバい』と恐れられることが重要」みたいに言っていましたが、少しでも「なるほど」と思ってしまった自分がいて、しかしもうそんな時代でもないのも事実なので、悪しからず。

「この映画が面白かった」という話ですよ。

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